いまさらですが、2018年もどうぞよろしくお願いします!
昨年2017年は、人生で初めて「紙の出版」という経験をさせて頂きまして、お陰様で「ビジネス書著者」として新年を迎えることができました(笑)
出版の機会を頂戴した技術評論社の傳さんならびに、ご購入頂きましたみなさまに改めて感謝申し上げます。

ビジネスモデル症候群」は、今まで誰も気づかなかったこと、書かなかったことを書き切った感満載で、正直、「長い文章を書く仕事」はしばらくいいや、と感じていました。ブログのような短編ではなく、224ページにおよぶ文章を、読者の方が淀みなく読み切れるように書くというのは予想以上に大変な作業で、文章の難易度としては最高峰だと思っていた研究論文を書くことより、遙かに大変な作業でした。

「自分がどんなことを伝えたいかより、読み終わった後にどんな気持ちになっていて欲しいか」

この観点は書籍を書く上で最も大切な視点だと思います。
この大切さを痛いほど痛感しましたので、もし次回の機会が訪れたとしたら、絶対にゴーストライターにお願いしようと思います(笑)

といった感じで、しばらくは書く仕事よりもよりリアルな仕事に集中しようと思っていたのですが、実は昨年後半から、またムクムクと書きたい欲が沸いてきてまして、長らくお休みしていたブログを本格的に復活させようかと思うのです。

テーマは「起業デビュー・サポート」です。

お伝えすることはとても単純。
まだ起業前の読者のみなさんが、起業家として「実際にデビュー」するのを、ブログを通じてサポートすること。
ただそれだけです。

「世界を変えるにはどうしたらいいか?」

まぁ、立派な思想は素晴らしいのですが、そんなことを考えるのは、実際に起業してからで十分です。

なぜなら、まだ経験したことのない将来を、始める前から想像したところでたいした意味はないからです

きっと「起業後に知り合う、本当に行動しているひとたち」が、みなさんにより多くの刺激を与えてくれるようになるはずです。

そのためには、いつまで起業できないひとは、いかに今年中に起業デビューするかに集中すべきです。
「経験していないことは、実践しながら考える」
これが現代のキャリア設計の基本です!

でも実際には、この「デビュー」ほどハードルの高いものはない、と思ってますよね。
シリコンバレーの常識に従ったところで、みなさんが無事にデビューできる確率は依然としてほぼゼロです。

その理由はカンタン!
セオリーのミスマッチ」が起きているからです。

簡単に言えば、上級者向けのセオリーを守れば自分も起業できると思ってるでしょうが、
「ビジネスを大成功させる」ためのセオリーと、「起業デビュー」するためのセオリーは根本的に違います。

ちょっとこの表を見て欲しいのですが、これは、セントラル・スポーツというスイミングスクールの進級項目です。

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見てもらうと分かるとおり、ちゃんとした「スイミング」を学ぶのはStep4からですが、まったく泳げないひとにとってはStep1からStep3までがとても大事です。
カナヅチのひとが25mをクロールで泳げないのは、ストロークや息継ぎやキックに問題があるのではなく、それ以前に別の問題があるからです。

もう何年も起業のことを考えているのに最初の一歩を踏み出せないみなさんに必要なのは、まず「けのび」がちゃんと出来るようになってStep1をクリアすることです。

スイミングの世界では、けのびも出来ないのに、オリンピック出場とかありえません。

これと同様に、初心者には初心者向けの起業のセオリーを守れなければ、世界をひっくり返すビジネスを設計するとか、絶対にできないのです。
起業したくてもできないみなさんは、水泳に例えると、怖くて水に顔をつけることすら出来ない状態なのですから。

なのになぜ、先輩起業家たちは「顔つけ」や「けのび」の重要性を、まったくのカナヅチであるあなたに教えてくれないのでしょうか?なぜ、世界最高峰の世界の話ししかアドバイスしてくれないのでしょうか。

それは、ひとは
「自分がひとに教わらなくても出来てしまうことを、誰かに教えることができない」
という習性だからです。

自分が顔つけをクリアし、けのびが出来るようになってやっと泳げるようになったひとは、誰かにスイミングを教えるときにも、問題点はすぐにわかって、Step1を指導できます。
でも、少年の頃から近所の海で遊び、物心つかないうちから水に馴染んできた子どもたちは、まさか都会の泳げないこどもたちが、水に顔をつけるのが怖いなんて、想像すらできません。
起業もこれと同じで、起業家にとって必要な思考や行動を自然に出来てしまうひとには、それを出来ないひとに対して適切なアドバイスができないのです。

起業も、まさにこの「顔つけ」「けのび」を指導できるひとしか、自分では起業できないひとに対するデビューの指導をすることは出来ません。

私は2016年から、こうした「起業できるひとには普通なんだけど、起業できないひとにとっては普通じゃない」ことが何なのか、数々の実験を繰り返して観察してきました。その結果、今では「けのび」に相当することが何なのかをかなり解き明かしたのではないかと思っています。このブログでは、まさにそのノウハウを一気に出していこうかと思うのです。

最後に、「セオリー」にまつわるちょっと面白いエピソードをひとつ。

日本有数の進学校と言えば開成高校ですが、ここの硬式野球部は、かつて夏の甲子園東東京大会でベスト16になったことがあります。「弱くても勝てます」という本やテレビドラマにもなったので覚えているひともいるかと思いますが、この野球部の監督いわく、「出塁した先頭打者を送りバントでセカンドに進め、ワンヒットで点を取る」という一般的な「野球のセオリー」は、あくまで「その裏の相手の攻撃を抑えられる投手力と守備力」を持ったチームにだけ通用するのだそうです。開成高校のように、エラーだらけのチームが送りバントで1点なんか取っても、どうせ裏の攻撃でひっくり返される。それならいっそのこと、相手ピッチャーを思いっきり動揺させ、相手が戦意を喪失するような攻撃をしかけていくのが、弱いチームにとっての「セオリー」だというのです。セオリーには前提条件や対象者があって、万人に通じるものではない。世間で常識だとされているセオリーを守るべきかどうかは、まず自分の実力を的確に理解する必要があるのです。

繰り返しになりますが、いまのみなさんに必要なのは「顔つけ」「ボビング」「けのび」です。

来週からさっそく練習を始めますので、それまでに「今年こそは本当に起業デビューする」ということを強く決意しておいて下さい!

「そんなことやって起業できるの?」と思えるぐらいにバカバカしいトレーニングを、ほぼ毎週お送りしていこうと思います。

1年は続くネタは揃ってますので、たぶん連載は続くと思います(たぶんですよ)